義父も体調が良くないので、あまり長時間義母に頼るわけにもいかず(義父もそんな体調の中、本当に気を使ってくれているのだ)、とは言いながら、まだ入院に不足なものもあるし、何よりも自分自身が航の様子が気になって仕方がない。雨が降って来たり、不安定な天気の中、櫂を連れて行くわけにもいかず、連れていけばいったで、乳児は病室にも入れないし。仕方がないので、申し訳ないが義妹にまたヘルプを頼んで、義母には帰宅してもらいつつ、私は病院へ。隣駅に住む会社の先輩が車を出してくれると言ってくれて、天気も怪しいし、荷物もあるので、甘えて乗せてもらう。途中の教習所に通っているという、彼の20歳になる長男も一緒だ。航もしっかり治して、将来、こんな風に成長して欲しいと思うと、車の中で涙が出てきた。単なる足代わりで、非常に忍びないところ、病院まで送ってもらい、荷物などを届ける。航の顔をもっと見ていたいが、今日は長居はできない。少し食欲が出てきたこと、排尿がそれほどではなく、むくみが激しいが、危機的な状態は脱していることなど、少しは安心材料を見つけて、言い聞かせて帰る。義妹が連れて帰った櫂を途中駅で降りて引き取って自宅へ戻る。今晩は、初めて櫂と二人の夜だ。由紀の指南の食事で、少しは夕食も食べて、寝るのだが、抱っこやおんぶが増えての、アセモなどのかゆみもあるのか、すぐに起きてしまう。そのたびに抱っこひもに入れて、夜風に当たりに表を散歩。こうすると、すぐに寝るのだが、置くと起きる、の繰り返し。朝まで、ほとんど寝付けずに近所の散歩。航が生まれた4ヶ月後に越した今の家。近所を歩けば歩くだけ、彼のこれまでの成長が思い出され、涙が出てきてしまう。が、今抱いている櫂の顔を見て、今自分がへこたれている場合ではないのだと言い聞かせ、夜明けを迎える。
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