電車に乗る時くらい、本でも読もうと、金曜の帰りに池袋のリブロに寄って、サクリファイスの続編が出ているというので購入。EDENというその続編は、主人公白石誓が、今度はツール・ド・フランスを舞台に、というお話。サクリファイスのときは2007年だったが、昨年の別府、新城の完走後のこのタイミングということもあり、特に夢物語的なこともなく、それなりにリアリティもありつつ、西武線の中と帰宅してから寝るまでに一気に、なかなか面白く読めた。
さて、文章のほうはともかく、個人的に面白かったのが、カバーの写真。前回サクリファイスのものは、明らかに「どこかのアマチュアレース」のもの。選手の肖像権の問題もあるし、おそらくサイクルロードレースに対する装丁チームの理解も低かったのか。公道ではなくサーキットのようであり、集団の密集度も低く、なによりコーナーリングしていく選手のこわばった上半身、フォームが固い。ディープなホイールも見当たらなく、何より、ゼッケンが巨大で位置が高い。ところが今回のEDEN。表紙は緑の中を下っていくTIMEにまたがったCOFIDISのシャバネル(ちょっと古いけど)だし、裏表紙は、新人ジャージのアンディに先を譲ってゴールするマイヨジョーヌのコンタドール。三着にランスの姿まで。本屋大賞の2位をとった前作の実績に今回はぐっと装丁のほうまでレベルアップしているのであった。笑っちゃいました。わたくし的に視点が職業病的ではありますが。
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