自転車通勤など始めて10年ほど。まー電車の退屈さ加減にはほとほと嫌気がさしたと思ったりしたもんだったが、ひとつ問題がある。それは、めっきり本を読まなくなったこと。小学校1年生のときに「読んだ本の感想文を1つ書くとひとつシールがもらえる」グラフが教室の後ろの壁に貼ってあって、家にあった本は片っ端から読み(野口英世とか豊臣秀吉とかの子供向けに書いた伝記)、読みつくすと姉にくっついて図書館通ったりしたもんだった。それでも「桃太郎」とか「さるかに合戦」など幼稚園でクリアしているはずの本の感想文でシールを積み重ねる坂本君には、常に1位の座をキープされ、幼心にフクザツな思いであったが、おそらく私の人生では小学校三年生くらいまでが一番本を読んでいて、その後はこの財産に頼って生きてきたようなもんである。本を読む人は賢い人のような気がする。いや気がするだけではあるまい。そんなわけで、たまの電車通勤を文春などのおっさん週刊誌でお茶を濁すのはなるべくやめて、本を読もう、賢くなろうと思った次第で、先日のサクリファイスにつづいて、本屋に立ち寄った際に気になったのがこの本。「日本人の足を速くする」。400mハードル銅メダリスト為末大である。僕は足が遅い人、小学校のかけっこでは常にびりから2番目。即買ってしまった。欧米人との体格の差。古くからの武道における所作の合理性、などなど。為末は小さいころは体が大きく敵ナシ。彼の200mは今でも中学生記録だそうだ。が中学生で成長が止まり、今の170cmから伸びず、ハードルへの転向の道を自ら選んだそうだ。僕は中学生のころにようやく人並みに近い身長に追いつき、かけっこは遅くてもマラソンなら人並みよりは速い、ということがわかって、走ることが嫌いでなくなった。それにしてもあの体格で世界のトップレベルにいる努力はすごい。面白い。鍛えるべきは体幹の筋肉であって、末端は細いほうがいい、というのはなるほど、ホイールが軽いほうが走りが軽いというのと同じだ。そのほか色々納得させる話満載。うーん、自転車にも応用できるのであろうか。考えてみよう。
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