以前下井草に住んでいたのと、大学生時代の名残で中央線には馴染みがあり、当時からの知り合いが数人住んでいるせいもあって、吉祥寺、荻窪、西荻窪界隈は好きな場所である。西荻窪は特にアンティークのお店が多く、我が家の振り子時計も西荻窪で見つけた大正もの。下井草の借家の古さ加減にもはまっていて、出来るものなら、向田邦子的な昭和な文化住宅に住みたいのが、ウチの夫婦の憧れ。
さて、かねてから、パソコンの収まり具合がいい加減で(出窓を机がわりにしていた)、先日買い替えたのを機に、パソコンデスクをしつらえようということになった。ネットでパソコンデスクを探して見たが、パイプと化粧板の愛着のわかない無機質なものばかり。ならば中古の家具でも当たってみるかとなった次第。向かうは当然西荻窪。自転車での道中、目をつけていた店を覗いて見たが、そうそうピッタリなものはナシ。本命の西荻窪、「慈光」で物色するも、見当たらず。今日は諦めて帰ろうかと自転車の向きを変えた目線の先に、渋いデスクが、ちょうど工房の軒先に降ろされた。近づいて持参したメジャーで測るとサイズもぴったり。まさに欲しかったスタイル。店員に交渉すると、店の奥からオヤジが、まだ売り物じゃないとか、マツミンだからどうとかもったいつける。一度は引き下がってたが、やはり諦め切れないので、店舗の方で改めて交渉すると、どうやらそのライティングビューロー(というらしい)は、松本民芸という家具界では有名なところの
もので、既に決まったお客さんがいるのだと言う。もしそのお客さんの、お目に叶わなければ、キャンセル待ちの二番予約は受け付けるというので、ダメもとで、名前と連絡先を残して店を出た。航にヘルメット被らせて前座席に乗せたり準備してると、さっきの工房の方から呼ばれるのであわてて行ってみれば、一番予約に売ると決まっている訳じゃないので、この場でウチを一番予約に昇格してもいいと言うのだ。そりゃラッキーってんで即決。しかも翌日には配達してくれるって、感激。めでたく日曜日の夕方には我が家のリビングの一角に鎮座されることとなりました。調べてみると「松本民芸」のこの型のライティングビューロー、新品なら某高級カーボンホイールが買えるお値段だそうで、中古相場的にも現物の程度的にも、ウチの買った値段は、かなり◎。使い勝手も抜群でニンマリ。新たな悩みは隣のテレビ台が貧相に見え始めたこと。テレビ自体もブラウン管だけど、こっちはすぐに買い替えって訳にはいかないしね。
コメント