半年間、ほとんど毎日書いていた反動か、退院したおかげで、仕事がフルタイムに忙しかったせいか、ぷっつり更新してなかったのですが。
抗がん剤の副作用で、すっかりピヨピヨになっていた髪の毛を、さっぱり坊主に散髪。親のひいき目は抜きで、航はなかなか頭の形がよろしいので、剃ったような坊主頭でも、様になってる。女の子だったら、せっかく元気に退院しても、髪の毛が伸びるまでは、外には出たくないだろう。 航はあまり気にならないようだ。男の子でよかった。
26日に最初の外来検査。血液検査をして、問診をして。まずは異常なし。身長体重測定では、入院時より3cmくらい伸びていた。伸びた、というよりは、体を支える筋肉が復活してきたのだろう。
27日は、幼稚園の音楽会。当然航は、出演はしないのだが。演奏が終わって観覧席に戻ってきたクラスの子たちと、半年ぶり、いや7月からだからそれ以上ぶりの再会。けがの手当てを受けた動物が、怪我が癒えて人間の手から恐る恐る群れに戻っていくように、静かに、そしてごく自然に友達の輪の中に入って行った様子に一安心。音楽会終了後、ひよこ組の父兄のみ講堂に残って、ごあいさつ。という話だったのだが、なんと子供たちも一緒に残って、「わたるくん、たいいん、おめでとう。」の横断幕に、花束まで。前に呼ばれた僕らは、あふれる涙に呆然と立ち尽くしてしまった。マイクを渡された由紀は、「こんなに泣いたのは、診断を聞いた時以来、治療が始まってからは、泣く時間もなかった。」と挨拶。次に、おとうさんも、と言われたが、主役の母親のあとに話をするのも気が引けるし、なによりもこの状況である。
由紀は泣かなかった、と言ったが、私は当初、毎日泣いていた。目の前に航がいれば、その息遣いを感じていられたのだろうが、 30km離れた空の下で、断乳した次男をおんぶして途方に暮れ、病気への恐怖と不安に駆られ、何も手出しできない無力さと、航の不機嫌をわかってやれずに、怒っていた自分の情けなさを悔やんで、毎日泣いていた。
我慢しきれなくなってぐずる櫂にかこつけて、先に退散。 午後からは仕事だ。
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