自転車で通勤などしていると、めっきり本を読むことが少なくなる。たまには本屋にも行くし、面白そうな本は買うのだが、大半が積読ってやつになってしまうが、この休みの間に「自動販売機の文化史」なる新書を読んだ。世界的に見ても日本の自販機の台数は異常なほどだそうで、アメリカについで第2位。人口、国土面積比からいくとダントツの1位。しかも屋外設置台数は治安の点からして他国からは考えられないような台数だそうだ。「温たか~い」と「冷た~い」が同居できるマシンも日本ならではの技術らしいし、自販機天国なのだった。
消費活動、経済の活性化を促す「欲望自然主義」。自販機がこれを多大に助長し、さらに手元にお金がなくてもカードで買えちゃうとか、suicaで買えるとか、考えてみれば今の我々は我慢を知らない。コンビニも異常なほど濫立してるし、大体24時間お店が開いてるのがアタリマエというのは恐ろしいことだと思う。我々的に言えば自転車で遠出をしても補給に困らないのはありがたいかもしれないが、ないことが最初からわかっていればそれなりの準備もするってもんだろうし。かれこれ35年位前、おそらく国内でも早いころにワタシの育った下関の国道沿いに「ミスタードーナツ」がオープンして、当時としては驚異的な深夜までの営業を始めたが、そんな時間まで買い物する人がいるはずもなく、場所柄か、単なる暴走族のたまり場と化し、ほどなく閉店してしまった。セブンイレブンだって最初は文字通り7時から11時って行く人いるの?なんて言っていた気がする。
今日みたいな雨の日はこんな本を読みながら電車に乗っていると、脇ではメールやゲームに夢中な人ばかり。目線を上げれば、これは児童ポルノではないのかというような表紙の漫画雑誌の中刷り広告に、卑猥な記事ばかりのおじさん週刊誌の中刷り。欲望自然主義に毒された現代人がこのような挑発にくすぐられて痴漢もしちゃうということなのか?。
この本行き着くところ、タバコとお酒の自販機が夜間自主規制という生ぬるいことで野放しにされていることを糾弾しているのだが(海外ではニコチンとアルコールが自販機な国はまずない)、日本っていろいろ甘い国なのだとつくづく思う。僕も小腹が空いたといっては、つい買い食いするのを少し我慢しよう。ってそういうことか?
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