41年前にこの世に生を受けたワタシについた名前は「タカシ」である。船乗りだった父は僕が生まれたときには遠い海の上でその報を受け、当時カタカナしか受け付けない電報で母と名前のやり取りをしたのだそうだ。カタカナだけでどんな漢字にするのかの検討はさぞかし困難なことだったと思われ、父がもらえといった親戚のお姉さんの字はひらがなだったりして、結局時間切れで母の判断で漢字は宛てたらしい。これじゃDQNな名前にもなることもないし、母はちゃっかり、自分の名前から一文字入れている(考えてみれば親の名前の漢字を受け継いだのは4人中僕だけだ)。たかし、いやしかし、タカシといえば4・50年前の名前ランキングを見ると漢字は違うが「隆」がかなりの間上位に君臨しているくらい、ポピュラーな名前である。ほかにも「ヒロシ」とか「コウジ」、「マサル」、「カズオ」、「アキラ」などなど、ぱっと思いつくポピュラーなというのはたくさんあるものだが、なぜかテレビコマーシャルに登場する名前は「タカシ」である。CMにおいて「ひとの名前を呼ぶ」というシチュエーションもそうそう多くはないと思うのだが、そんな時、決まって「タカシ」なのであった。昔、白仁丹というお菓子(?)のCMではビートたけしが「たかし!」と叩かれていたし、田代マサシがココアができたよと持っていく子供部屋の受験生もタカシだった。おっとっとのCMでも、赤字続きの家計簿にため息をつく母親から、おっとっとを食べちゃだめといわれるけなげなたかし君。近頃ではアミノコラーゲンのCMで母親と姉と思しき設定の女性から「ねぇ、たかしー」と呼ばれている、タッキー(そのままヒデアキじゃ、なんか都合悪いのか?)。intelのCMで朝目覚めるとツンツルテンのパジャマを着て黒人に変身してしまっている小学生のタカシ。今すぐには思い出せないがほかにもまだまだたくさんあったはず。まあ、CMだっていうせいもあるけど、どの「タカシ」クンも少し小心者だったり、落ち着きがなかったり、哀しい存在だったりするんだな。と思っていたら、今朝流れていたdocomoのCM、結婚披露宴でスピーチするドコモのおねーさん(この人あまり好きじゃないんですが)、が呼びかける新郎の名前がまた、たかしさんだった。ま、幸せになってね。
きっと著作権フリーなのでしょう。
投稿情報: matchacci | 2007年6 月12日 (火) 19:04