ゲイノー人の親

私の兄は、なぜか大都会西麻布に住んでいる。私のツーキン路沿いであったりもするので、ふだん何かあるときは好都合なのだが。2歳になる、航にとっての従兄弟とのご対面と、第二子がそろそろ臨月の義姉の様子をうかがいに、兄夫婦と先週日曜に六本木ヒルズでランチ。いつもは自転車で通る道も、電車で行くのはなかなか大変さが（人混みがね）予想されたが、ミッドタウンに客足を奪われたか、ヒルズは予想外におとなしめ。日本人って飽きっぽいですね。まずは授乳室を確認して向かっていくと、目の前を関西風味な派手派手夫婦が、ガラガラとスーツケースの音を立てながら歩いていく。だんなの胸にはウチと同じくらいの赤ん坊。スーツに抱っこ紐。奥様は上から下まで真っ白の、ミニスカートにブーツ。「田舎から結婚式とかで来たんだ、絶対。やつらも授乳室だぜ、参ったねー」などと言ってると、案の定、僕らに5分位遅れてやってきた。由紀は既にカーテンの向こうだったのだが、現れた夫婦は後姿からの想像よりは老けていて、奥さんも化粧は薄め。だんなから赤子を引き取ると、カーテンの向こうへ。

さて、用を済ませて出てきた由紀はその奥さんと話を交わしたようなのだが、何でもその日、六本木ヒルズで「ホリプロスカウトキャラバン決勝大会」があり、娘が出てるもんで、夫婦で応援に来たのだということだった。へー、とある意味納得してしまったのだが、翌日調べてみると、どうやらその子が優勝しちゃったらしい。あのホスト気味なスーツを着ていたおとうちゃんは39歳らしい。そんなもんなんですかねー。