桜より梅のほうが好きかも、という話を先日書いたが、この時期やっぱり咲いてる桜を見るのは気持ちがいい。晴れて暖かければまだマシであるが、酔いが進むのと並行して陽も暮れ、寒くなってきた頃に面倒な片付け、帰り道はさらにだるい、大勢で群れて酒を飲む、いわゆる「花見」というヤツはあまり好きではないのだが、都内をぐるぐる自転車で巡る生活をしていれば、あちらこちらの桜を満喫できる。昨日は年度末のごたごたも終焉して、早めに帰って、移転閉店間近のナルシマへ寄る。ここのそばにも大きな桜が一本、毎年立派に咲いてますね。ところで「桜」といえば、日本人の心に訴える何かがあるようで、古くから歌の題材にもなっているが、近頃のものは、どうも湿っぽいヤツが多いような。温暖化で開花が早まる傾向にあって、3月、別れの季節、って連想になるせいでしょうかね。そんな中で昨日の私の頭の中でなりひびいていたのが「チェリーブラッサム」。「10代で口ずさんだ歌を、人は一生、口ずさむ」というウォークマンのCMコピーはひさしぶりにいいコピーだと思ったが、私にとっても高校受験を控えた1981年の冬、なにもかも~で始まるこの歌のなにかワクワク感にそわそわしていた気がする。アイドル歌手なのに財津和夫が作った歌だってよー、ってのも田舎の中学生には衝撃であった。タイトルこそ「チェリーブラッサム」であるが、その歌詞の中では「さくら」や「チェリー」などとは一言も出てこない。文字通りの馬鹿な「わかりやすさ」を強いられるような、近頃の歌の安易に連呼する安っぽさがなく、そのタイトルをテーマとする空気や気持ちをきっちり唄にしているところが素晴らしいと思う。松田聖子、年女で48歳。美空ひばりが52歳でなくなったことを考えると、もはやその域にも達したかと思えるような存在感である。安室奈美絵、じゃ、無理だろうなあ。吉永小百合、の領域が越えられないのと同じ何かがあるんだろうなあ。
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