微妙に暑苦しかったのか、昨晩櫂は夜中に二度起きて、二度ともおんぶで寝かしつけ。ついでに朝も5時には起きてしまった。せっかく保育室のない朝なのに、寝坊したいこちらの気持ちはどこへやらである。
それでも今日は、ママべったりの航の様子をうかがうために、僕が先に病院に行く日である。前回約束した「ばあばのたらこスパゲティ:レシピ伝授済み」を持っていかなければいけないし、それなりに朝から準備はある、と張り切っていたものの、やはり睡眠不足には勝てず、9時までうとうとしてしまった。焦って次の電車を検索すると好都合にも、むさしの号で、バスへの連絡もスムーズ。約束のお昼、前の11半には病院に到着。
由紀からこの数日の状況を聞いていたので、本心、航の様子を見るのが怖かった。恐る恐る病室を覗くと窓側のベッドの中で、柵を握りしめて、じっと座りこんでいる。昨日までの酷い下痢は治まったようだが、今度は口内炎がひどいとのことで、よだれが出ているし、痛み止めのせいか、ぼんやりした表情でじっと耐えている。副作用についての説明は主治医から受けてはいたものの、いざ、その状態になってみると、想像以上に痛々しい。せめてものなぐさめに、背中や足をさすってやり、よだれを拭いてやる。
昼食の時間になったが、やはり一切手をつけない。それでも薬だけは辛抱して飲んだ。スパゲティも当然ダメ。15時のおやつは、牛乳を少し、お菓子をふたかじり。外(プレイルーム)に行きたいとダダをこねるのだが、今の血液の数値ではムリ。車いすに乗せて、病室の入り口まで連れて行って気分をなだめる。
大部屋になってから、周囲の子どもたちも治療の進捗具合によって、ぐったり寝ている子、比較的元気な子、さまざであり、また今後の航がどうなって行くかも想像できる。またそれぞれの親御さんもいて、多少なりとも挨拶を交わしたり、表情を見ることで、気も紛れる。ネームプレートを見れば、それぞれの親の子どもへの思いも伝わってきて、さぞみんな辛いだろうにと思いながらも、こんな状況でも淡々と過ごしている姿にこちらも身を引き締める。
結局、航がぐったり寝ている間にバスの時間。しっかり笑顔が見られなかったのは心残りだが、それはこちらの勝手な願望であって、じっと耐えている姿を信じて病院を後にする。
新座を降りてからの、19時前の市役所前の長い長いそしてゆるーい直線上り坂を、ママチャリのケイデンスを上げても、それほど汗はかかずに済むくらい、過ごしやすくなってきた。
航は痛みをこらえて眠れるだろうか。さっきおんぶで寝付いた櫂は、また夜起きてしまうのかな。
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