アトピーがまだ治りきらない櫂は、乾燥した気候でかゆみが増すのか、夜起きてしまう。車の運転を気遣って由紀が面倒見に降りてきたが、その間に航も起きて泣き出した。あっちとこっちで、なだめて、寝かして、長い夜があける。
10時までに病院に戻るため、とにかく慌ただしい朝。眠い目と、軽い頭痛を我慢して、櫂を保育所に連れていって、航をチャイルドシートに座らせて出発。近くの、現在立体交差工事中の保谷5号踏切、土曜日に見たときに、新しい警報機が準備してあったといい、もう一度それを見てから行きたいという。方向的に逆だし、時間的に開かずの踏切だし、時間の余裕もないのだが、せっかくなのでわがままを認めて、案の定の車の列に並ぶ。踏切が近付くと、航の言うとおり、黒いシートにくるまれた警報機が置いてあった。工事の工程上、また踏切の向きがずれるのだろうか。
雨上がりの空気は澄んでいて、道中、富士山がくっきり見えた。月曜だし、時間も時間で、混んでいて、10時に遅れること10分ほどで病院到着。航はゴネることもなく、おとなしく病室へ。しっかりがんばろうな、と声をかけて私はベビーカーを押して駐車場へ戻る。行きにみた16号、17号の対向車線は激しく渋滞していたので、自転車ルートのほうで帰ってみたが、細かい道はそれなりに信号も多いし、路駐の邪魔あり、工事あり。結局所要時間は変わらず。自宅前に車を止めて、荷物を降ろそうと玄関を開けた時、めったに車の入ってこないこの道に、対向から、灯油灯油配達のトラックが上がってきた。勘弁して。
急いで車に乗り込み、バックして道を譲る。お隣に給油の間、ぐるっと回って仕切り直し。レンタカーを返す時間が迫っていて、大急ぎでガソリン満タンにして、どうにか時間ぎりぎりに間に合った。『忘れ物はないですかー』の店員に、胸を張って、もちろん、と答えたのだが、やっちまいました。トランクにあったベビーカーをバタバタして降ろし忘れ。仕方なく、ママチャリのかごにひっかけて、もう一回家まで帰って、出直して、やっと会社へ向かう。
昨夜、今日の車の運転を控えた僕のかわりに夜泣きの櫂の面倒を見てくれていた由紀も寝不足でしんどいようだ。航は、再びの病院に、落ち込んだりしてないか心配だったが、久しぶりの『生踏切』に刺激されたか、元気に絵を描いていたそう。
慣れない車の運転に緊張もあって、ぐったりくたびれたが、航には満足してもらえたのかな。
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