「良い楽器は上達を早めます。」というのは、もう四半世紀も前、ワタシが高校生の吹奏楽部時代、ビュッフェ・クランポンというクラリネットメーカーの宣伝文句。初心者で入部したワタシのパートはバスクラリネット。本来クラリネットは黒壇という木材(もちろん木管なのでね)で作られるべきものであるが、お手軽にするためにエボナイト樹脂で作られた低価格なものがあり、ワタシが最初に吹いていたのはこの代用品であった。不幸なことに前年に窃盗に会い、それまであった物を盗まれてしまい、楽団に一本しかないパートのため急きょ購入したものだったらしい。そんな事情はさておき、初心者である私には、何の不足があろうか、一生懸命練習もし、二年生の冬にはクラリネット四重奏で、中国大会で金賞をいただくにまで至ったのであるが、三年生になるタイミングで、当時で70万と言われたクランポン製のバスクラリネットを購入することになった(もちろん部の物)。これがまた、吹いてみれば一目(耳?)瞭然、まるで音が違う、キータッチが違う。先のアンサンブルコンクールもこれで出てれば全国大会行けてたんじゃない?なんて冗談ともつかない負け惜しみを言いたくなるくらい。「良い楽器は上達を早めます。」とは本当によくいったものだと思う。
と、前口上が長くなりましたが。では、良い自転車は上達を早めるか。あるレベルまででいえば、速い人は何に乗っても速いし、自腹でお金をかけることで考えると、単純に良いもの(ニアイコールで高いもの)ばかりを追いかけるわけにもいかないのが現実。今時的にフルカーボンのTIMEに乗せていただいているワタクシ目でありますが、デュラエースなど10年早い(ってか、高い)、そんなことより己の肉体を鍛えんかいっ!てなところ。とはいえ、せめてそんなVXRSについているアルテグラをおNEWにしようと目論んでいたのだが、今回のシマノのモデルチェンジ、先日付け替えた通勤号の105でわかったのだが、レバーの握りが四角張ってて、握りにくいのだ。となると別にいまのものが調子悪いわけでもなし、焦って付け替えることもなかろうと判断し、その分を自転車本体ではなく、シューズにあてることに方針変更。
シューズも分相応、ワタクシごときがそんないいものを履くのは恐れ多いと、SIDIのジェニウス5.5に甘んじていたのだが、そもそも、右足の甲の当たりが良くなくしびれる傾向にあったりもしたので、これを解決するだけでも大きく走りに影響するはず。コンポの分と考えれば高くないぞと、ERGO 2 CARBON LITEを購入。履いてみてそのフィット感に、目からうろこ、足からキノコ。ヒールカップとかいう、踵のホールド感はもちろん、アッパーの包む感じも何ともいい。まだ実走はしてないが、ペダリングのストレスは大幅に軽減されることは間違いなし。
「良いシューズは、ゴールを速めます。」かね?
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