栗原だより

9月29日

今日は土曜日、僕が航の世話。9時過ぎに自転車で出発。少し買い物などして11時前に到着。湿気のないいい気候になりました。台風近いみたいだけど。

航は、このところ、かなり落ち着いて来ていて、痛み止めも取れて、つながってるチューブの数も減っている。着いてすぐに車いすに乗って、プレイルームへ。プラレールをつないで、電車を走らせると、後ろの電車が前のこまちに追い付いて、脱線!!。弱弱しくはあるが、少し笑った。

お昼御飯は、航のリクエストもあって、そば。エビのてんぷらが二つ欲しいというので、自転車で駅前のスーパーまで遠征して買ってくると、出してあった病院食が、海苔がなくなって食べられないと文句を言っていた。買ってきた蕎麦とエビ天も少し食べる。その後、持っていった外郎と、おやつも食べる。ヤクルトも飲んだし、僕が飲もうと買ってきたコーラも飲んだ。口の炎症もすっかり治まっている。ただ、手のひらやその他、日に焼けたように皮がむけている。これも抗がん剤の影響なのか。

パズルでちょっと遊んだりはしたものの、夕方からは、ちょっとダルそう（というか眠そう）で、夕食にはまったく手をつけず、すぐに横になり、例によって綿棒で耳掃除をしてやっていると、じきに眠った。

いつもより早めではあったが、眠ったので6時半に病院を出る。半端な時間で空腹に勝てず（というか、このまま走っているとアブナイ）、大宮駅を過ぎた17号の交差点にできていた『豚野郎』というラーメン屋に入る。名前の通りのトンコツラーメン屋なのだが、食券を買って席に案内してくれたのは、鶏ガラのように痩せたおねーちゃんだった。ラーメンは、博多風なトンコツなのだが、麺が中途半端で、ダメー。スープはよかったんだけど。がっくし。

家に帰って、由紀とケーキを食べながら話す。なかなかゆっくり話す時間がないなあ。

 

9月28日

櫂の風邪もよくなってきて、久しぶりの保育所。のち会社。ややこしめの打ち合わせ二つ終わらせて、三田のプロダクションに寄った後、帰宅。今週は二日しか使ってない、敷布団カバーやらシーツやら。金曜日は持って帰るものが多い。いまだ本調子ではない櫂は、機嫌がイマイチ、というか、睡眠のリズムが崩れ気味か。

航の方は、朝、由紀が来る前に、絵を描いて待っていたとかで、かなり気分も上向きな様子。こちらは少しお疲れ気味で、寝付かない櫂にいらついてしまったりして、よくないよくない。

9月27日

櫂は念のため、今日もお休み。

私は仕事。お昼は某所で、旧同僚と。少し気が和みました。ありがとうございました。その後四谷で打ち合わせて、7時前に帰宅。義母が来てくれていて、櫂の面倒と私の食事の準備も。帰宅して、誰か話し相手がいるのは気が休まります、ほんと。

櫂の風邪は、疑っていたRS肺炎ではなく一安心。

9月26日

熱は治まっているが気管の雑音は続いて、櫂は今日もお休み。義母にお願いして面倒を見てもらう。

ようやく雨っぽい天気もおさまって秋らしい空気の中、青梅街道まで出てくると、前方をなかなかのペースで走るロードが一台。信号で追い付いてみると見覚えのあるジャージに後ろ斜め45度から見える、普通の眼鏡。なんとパインの秋郷さんでした。ご挨拶して、そのまま環八までの短い間でしたが40km/h超の引きに乗せてもらいました。スキルと実力のある人の無理のない走りの後ろはとても走りやすいです。ありがとうございました。それにしても朝めし練の後の通勤であの巡航速度。しばらくレースはないとのことでしたが、そのモチベーションの高さ、見習わないと。

会社に行き、昨日休んだ分、意味もなく溜まっているメールをさばいたあと、すぐに打ち合わせに出かける。午後もそのままもう一本打ち合わせを済ませた後、会社に戻り、慌ただしく用を済ませればもう帰る時間。保育所ではないにしても、義母にあまり遅くまで手間をかけさせられないので、お迎え時間で帰る。

昨夜眠れなかった櫂は、昼寝をしっかりしたうえに、帰宅時点でまた寝ていて、飯はどうしたものかと思案中に起きて、うどんをちゅるちゅる。由紀からメールが入り、航は今日はとうとう、絵を描いた、といって画像が送られてきた。こんな姿は、ほとんど二ヶ月ぶりだ。すごくうれしい。

睡眠のリズムが崩れた櫂は、いつもの時間になっても寝る気配もなく、いつも通りのおんぶでは寝付いてくれず、今日は武蔵野線方面から帰ってくる由紀を迎えがてらに、おんぶで散歩に出てみるが、だめ。結局、昨日とおとといの寝不足を取り戻しに先に由紀が寝た後、おんぶでママチャリにまたがって、近所を30分くらい、ぐるぐる回ってようやく寝た。ふう。

9月25日

櫂の熱はやはり高く、保育所はお休みして医者に。僕は天気も怪しいので、全行程自転車はやめといて新座駅からむさしの号パターン。大宮からの宇都宮線はまたしても遅れていたが、どうせバスの時間には余裕なので、そのまま遅れてきた列車に乗って蓮田へ。

航は、母親でなく、僕が顔を出したことに、最初はいやな顔をしていたが、そのうち落ち着いて、持参したジグソーパズルをやるか？と問うと、素直に「やる」。体を起こしているのはまだ多少シンドそうではあるが、真剣な顔つきでパズルをはめていく。ベッドの上で、「なにかやる」姿を見るのは入院以来初めてかもしれない。気分的にも落ち着いて来た現れだろう。よかった。

お昼のうどんは、焦ってほおばったせいなのか、腰が強かったのか、しばらくもぐもぐした挙句、出してしまったが、持っていったリンゴをむいてやると、ふた切れ分、しっかり食べた。
3時のおやつのハッピーターン二本と、飲むヨーグルトも完食。

夕方主治医から、現状の説明を受ける。血液のもろもろの数値もよくなっていて、この調子でいけば、水の溜まっているお腹もじきによくなるだろうとのこと。来週後半からは、第二弾のプロトコルに入るとのこと。せっかく、体調が上向いて来たところに水を差すような話だが、これも治療の計画。仕方がない。ただ航の状況から、投薬の二弾目と三弾目を入れ替えて処置するそうで、この度のように、副作用がきつすぎないことを祈る。

いいわけ程度に、夕食をつまんだ後、横になって、耳掃除のリクエスト。綿棒で耳のあな周辺をなでてやると気持ちよさそうに目を閉じている。「夜も帰らないで」とか「お母さんが来るまでいて」とか、いじましいことをずっと言っていたのだが、綿棒をくりくりやる手も辛抱して、寝たところを見計らって、病院を後にする。

7時39分発のはずのバスが、10分ちかく遅れてくる。なんでも事故渋滞だったらしく、蓮田では、おそらく一本前に乗れたはずだったが仕方ない。で、大宮からの埼京線が、これまた板橋で人身事故いきなり発生で、与野本町で止まってしまい、復旧には1時間以上とのアナウンス。仕方がないので駅を出て、居並ぶタクシー待ちの列を尻目に、一本先の通りで流れてきたタクシーを捕まえて、武蔵浦和から電車で帰宅。結局家に帰りついたのは10時前。くたくた。こんなときに思うのは、やっぱり自転車って便利だなあ、と。

9月24日

保育園もあれば仕事も始まる、フツーの月曜。朝から打ち合わせ一本済ませて、ばたばたしてるうちにすぐに4時過ぎ。慌てて帰る。保育所に着くと、櫂がどうやら午後から熱を出したようで、やはり週末の気温の乱高下には体がついていけなかったよう。家に帰れば食欲もあり、うんちもいつも通り。ただ気管がヒューヒュー言っていて、熱もそこそこに高い。やはりこれはマズイ。恐れていた事態だな。航以外の家族が妙な病気になっていてはいかんのだ。
帰宅した由紀と相談して、やっぱり明朝、小児科に連れていくことにして、航の方には、休暇をとって僕が行くことにする。

9月23日

保育園のない週末は遊び足りないのか、リズムが狂うのか、2日続けて夜起きなかった櫂が、夜中に一時間あまりてこずらされて、睡眠不足。出かける準備にあたふたしている由紀に起こされる。昨日、しっかり雨に降られた中を走った疲れも出たかもしれない。

 

雨の日曜日、1歳4ヶ月の赤ん坊と、何処にもいけずに家で過ごすのはかなりしんどい。午前中にしばらく寝てしまったためか、昼ごはんのあとも昼寝をせずに、微妙な機嫌でいる櫂をなだめすかして時間の過ぎるのを待つ。夕食中にはとうとう眠気に勝てず、赤ん坊は船を漕ぎ出したので、そのまま1時間ほど寝かす。起きたところをバナナ1本で機嫌を取って風呂にいれ、すかさずおんぶで寝かしつけ。

 

僕のシーコン輪行バッグを、松井さんにお貸しすることになっていて、こちらへ引き取りがてら、由紀を病院から送ってくれることに。天気も悪かったので、非常にありがたく乗せてもらう。さすが、日曜ですいていたこともあって、1時間ほどで帰宅。速い。いつもなら9時半前のところ、8時半には着いてしまった。ありがとうございました。

 

昨日僕も感じたことだが、由紀の目から見ても、航の様子はぐんと良くなっていて（まず顔色が違う）、とにかく彼の強い生命力に期待するしかない。

9月22日

昨夜帰って来た由紀が、喉の調子がよくないということで、今日は僕が朝から病院へ行くことに。昨日のルートを見直して北浦和方面からのルートで（羽根倉橋からそのままなので）。弱い小雨だったが、天気予報的にもひどくはなるまいと高をくくっていたら、北浦和を過ぎたころから雨脚が強まり、産業道路に出るころにはほぼ土砂降り。天気予報のあてにならなさは今さら言うことでもないかもしれないが、今日の気温でこの雨はキツイ。しかもこちらから行くと、高速の出入口の前を通過することになり、脇を通る車も運転がやや横暴。ここまで来ていまさら雨宿りでもないし、航も待っているし、雨をついてペダルを踏む。小児医療センター手前のセブンイレブンで、今日の昼食とタオル、替えの靴下などを買って11時ころにどうにか到着。屋根つきの駐輪場で一息つくと、膝からふくらはぎ、手の甲が寒冷蕁麻疹で酷いことになっていた。タオルで拭いて、着替えて病室へ。

航の部屋に行くとベッドごといない。ナースセンターに行っていた。僕の顔をみて不安そうな表情が少し和らぎ、一緒に個室に戻る。のっけから下痢をしていたところで、すぐに看護師さんたちが処理してくれたが、便の色も、よわよわしい黄色っぽいものから、黒い色になっていて、うんちらしくなっていた。その後すぐに、午前中のおやつで食べなかったというブドウゼリーを全部食べた。血液検査の数値も、白血球が昨日の4000台から大幅に増えて7600、着実に回復している。

昼食も、おかゆを二口、スープを3口位、おかずの白身フライもちょっと。何も受け付けなかった先週までと比べると格段の進歩。しかも食後はきちんと歯磨き、うがい。ただまだ口の中の皮がめくれて気になるようで、うがいのたびに血が混じる。

午後になって、ママはいつくるのとか、ばあばに来てほしいとか、唸っていたが、これまでよりはおとなしいかも。午後のおやつの、イモのタルトも半分、牛乳は100mlのパックを全部飲んだ。

枕元には、抜けた髪の毛のほかに、めくれた皮が散乱している。見ると手の平の皮がむけてひらひらと気になるのか、引っ張ったり噛んだりして剥いてしまっている。狭いベッドのなか、ほかにやることもなく細かいことばかりが気になるのだろう。

夕方、買っておいた団子が食べたいと言うので持って来てやると、ようやく1/2個。そのあと、枝豆が食べたというので、院内のコンビニで「豆のサラダ」を買ってきて少し食べる。夕食は、豆腐、鶏肉のハンバーグ風、付け合わせのカリフラワー、ブロッコリ。にんじんとカブのスープ。どれも少しずつ食べる。まだ飲み込みにくいようで、豆腐などは素直に喉を通るが、そのほかのものはしばらく口の中でもぐもぐして、水分のなくなったオカラのような状態で吐き出してしまう。吐き気ではないので、これももうすぐしっかり食べられるようになるだろう。

痛みがあるのか、なかなか寝ない。7時を過ぎて、耳の穴を綿棒でなでてやっているとうつらうつらとしだす。ころ合いを見て、やめると、また目が開く。これを数回繰り返して、ようやく8時前に寝入った。明日ママが来るまで帰らないで、とは言われていたが、泊るわけにもいかないので、このすきに、看護師さんに挨拶をして帰る。

すっかり雨も上がっているが、田舎道。街灯も少なめ。いきなり、交差点で対向右折の原付が曲がってきて、勝手につんのめってくれたりする。産業道路はやはり、夜の環七と同じようなデンジャラス風味なので、次回からは大宮経由に戻そうかな。時間どおり、9時半前には帰宅。丸一日付き添うと、かなり疲れたが、見た目にも回復が感じられて安心できた。

9月21日

由紀が病院に泊った昨晩も櫂はしっかり朝まで起きなかった。やはり保育園効果かな。

今日は会社が休みなので、櫂を預けた後、一旦家に戻り、航の点滴類をまとめている器具を入れる巾着袋を二点制作。この間からの体調で、点滴類が増えてしまい、前に作った奴が少し小さいとのリクエストがあったので。今回はBanestのサコッシュ製。その後雨の間隙をついて買い物などして午前中を過ごしたが、やはり居ても立っても居られないので、降られるのを覚悟で、自転車で出発。途中までは、いつもの練習の集合場所へ向かう道。そこから大宮方面へむかい、さらに岩槻方面。目立ったアップダウンもないし。走ってみればなんてことはない会社までとほぼ同じ程度の32km。って、どんだけ遠いんだ会社。

航は、白血球の数も4000台に回復してきたとのこと。やせ細っているのは変わりなく、地肌が透けて見えるくらい髪の毛も抜けてきてはいるが、目つきや顔色は少しいいように見える。ベッドから出たいのは相変わらずで、せっかく二人揃ったので、点滴類を僕が押して、由紀が車いすを押しながら、廊下をぐるりと散歩。これが今できるぎりぎりのベッド以外の世界。

バスの時間を気にせずに、4時前に病院を出発。一度来た道なのでスムーズに引き返し、きっちり1時間半で帰宅。櫂を引き取り、いつも通り、夕食、風呂、寝かしつけ。

9月20日

昨夜は由紀が櫂の添い寝当番だったが、なんと朝5時半まで起きずに寝たそうだ。そうなってくれると、こちらも体が楽だ。

保育園は当初、かなり不安であったが、時間的な制約が生活にできることで、むしろいろんなことが規則的に動いてくれてよかったと思う。特に、こんな生活の中で、櫂の健康管理という意味も大きい。

 

夕方由紀からメール。航は白血球の数も微量ながら増えてきて、体温も少しは下がって来たそうだ（と言っても、39度台から38度台になったレベルだが）。少しは前進だ。

明日は会社自体が休み。櫂を保育園に預けた後はどうしよう？。ゆっくり休んだ方がいいのかな。悩む。