三連休の真ん中。航が元気なら、家族4人で何処かに出かけてただろうな。8月17日の診断から一カ月。ひと月たったと思えないくらい、暑さもそのまま。じっとりいやな汗をかいて眠れなかった夜の記憶がそのままだ。
しかし、考えてみれば、悪いことばかりじゃない。
櫂が、乳離れをする時期だったこと。母乳に依存する月齢であれば、もっと大変(特に由紀が)だった。またもう少し月齢が大きかったら、本人の意思で、淋しがってもいただろう。僕ひとりの手に負えなかったかもしれない。
そして櫂が順調に成長してくれていること。酷かったアトピーも急激に快復しているところでよかった。
まったくの偶然だが、すぐ近くに保育所がタイミングよくオープンしてくれたこと。我が家から駅へ向かう道から、ほんの少し寄り道するだけの場所に、図ったかのように、9月開所だった。仕事への影響を考えると、こんな運のいいことはない。
この家も、意識したわけではないが、由紀の実家からも義妹のところからも比較的近い場所であったこと。
航がまだ、5歳であったこと。昨年であれば、先述のとおり、櫂がまだ乳飲み子であったし、来年であったとしたら、次年度の小学校の入学への支障が大きかった。まだ挽回ができる。
とにかくご近所が、本当にいい人たちであること。日ごろから航のことを孫のように可愛がってもらっていたし、今回の件に際しても、励まされ、本当にお世話になっている。
自転車の仲間がいたこと。会社オンリーの生活でなかったことは、非常にありがたかった。みんなからの励ましは、心強い。
とはいえ、まともに理解のある会社であったこと。しっかりと休暇も取れているし、みんな協力してくれている。
何よりも由紀が、妻であり、母親であったこと。
航がこんな病魔に襲われた、という、たった一つの、最大の不運を除いては。きっと航も、そんな不運を凌駕する強運を持っているはずだ。
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