さて、当面の休暇は良しとしても、半年も休んでられるわけもなく、また由紀が帰る時の負担も少ないよう、次男の櫂には何処か預け先を探さなくてはいけない。洗濯を済ませ、買い物に出たついでに、近くの保育園に寄って話をしてみる。園長先生が出てきて、親身に事情は聞いてくれるのだが、やはり入園については市役所の管轄。保育課に聞いてみるしかないとのこと。
ずっとおんぶで、帰宅してからも櫂は寝たまま。11時前に義母が来てくれた。その間に市役所へ電話してみるが、お約束のお役所対応で、イライラする。結局、空きがないものはない、と言うことらしい。その代わり、と言ってはナンだが、我が家にほど近い場所に、9月に開所予定だと言う指定保育室があるのでその問合せ先をおしえてくれ、すぐに電話してみたら、受け入れ可能だと言う。詳しい話は明日、と言うことにして起きて泣きだした櫂を義母に頼んで、家を出ようとしたときに郵便が届く。下関にいる姉から、航へ、手作りの団扇だった。「にこにこうちわ」と書いてあり、以前にケータイで撮った航の笑顔がプリントしてある。「つらくてさびしいけど、にこにこしてるとはやくおうちに帰れるよ」、と手紙が添えてあった。このうちわも持って、昼前には病院へ向かう。
岩槻と言う場所は、同じ埼玉県でありながら、我が家からは非常に遠い。大宮からいくつか向うになるが、池袋経由にしろ、武蔵野線ルートにしろ、ぐるーと周るような。前回は池袋経由。今日は、途中に買い物やら、場合によっては保育園絡みで市役所にも寄ろうと思っていたので、武蔵野線新座駅から。駅までは自転車であるが、これまた新座の端っこの我が家からは6kmほど。ママチャリ飛ばして20分あまり。土呂駅で人が立ち入っただののアクシデントもありつつ、1時間に一本ほどしかないバスの時間には間に合う。こんなに本数の少ないバスに翻弄されるのも困りもの(バスの所要時間自体は10分ほどなのに)なので、由紀と自転車を買おうと言うことにしていて、駅前の駐輪場をチェックしたのちバスに乗り込んで病院着。
2日ぶりに会う航は、尿の出が悪い状態は続いてるとのことで、前にもまして浮腫んでおり、痛々しい。脳への転移を防ぐための腰から延髄への注射の跡もさぞやと思う。電極や点滴のチューブ、コードも巻きつかんばかりの状態は、だるさ以上に不自由で可哀そう。時折、私に向かって悪態をつけるほどの元気はあり、目の前で姿を見てる分には、かなり安心でもある。なにより、こうして由紀と話をしているときが一番心が落ち着く。
諸々の申請の話を聞いたり、着替えなど整理したあと、自宅でまつ義母のこともあるので、これまた1時間に一本程度しかない帰りのバス、18時24分に乗り込む。駅前で駐輪場の手筈もつけ(同様な事情で借りる人もおおいらしい)、帰路へ。乗り継ぎも良かったのか、新座からの自転車も時間の短縮に有効で、20時ちょいには家に着いた。櫂はかなりおとなしかったようで、すでに寝ている。義母もいつもより疲れてなそうでよかった。そして今日もお隣から差し入れがあったそうだ。昼も駅の売店でちょい、しか食べてなかったので、これはもう恐縮するのみ。
早めに寝てしまった櫂が、起きてしまうのが何時になるのか不安だし、寝れない状況の航と由紀には忍びないが床に就く。
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